バイオスティミュラント

1. バイオスティミュラントとは
 1.1 背景と定義
 1.2 市場
 1.3 効果
 1.4 分類
 1.5 違い
2. 国内の現状
 2.1 国内市場
 2.2 日本バイオスティミュラント協議会


1. バイオスティミュラント(BS)とは
 
簡単に言うと
欧州を中心に広まる新しい農業資材のくくり(直訳:生体刺激資材)
 
1.1 背景と定義

 

 世界は人口の増加により食糧需給(農耕地の面積により)に限界が迫る。また、温暖化による気温の上昇や異常気象による環境面の悪化から生産量の減少が考えられる。そこで植物自体のこのようなストレスを軽減することで本来の力を取り戻し収量を上げて来る食糧難に対応することが求められる。

 

 

 悪天候や干害、塩害などの負荷(非生物的ストレス)から植物を保護し、健全化する農業資材として農作物の収量増加に貢献するもの

 

 ・生物的ストレス:害虫、病気、雑草など(←肥料や農薬で対応)

 ・非生物的ストレス:高温、低温、干害など物理的な被害(←BS資材で対応)

 
1.2 市場

 

 ・ドイツのBASFやバイエル、インドのUPLが先行している

 ・2014年に1400億円だった市場規模が2018年には2000億円に達し、今後も年間成長率

  10~12%で推移していくと考えられている

 ・ヨーロッパでのバイオスティミュラント製造会社は200以上で65%が中小企業

 

1.3 効果

 

 ・代謝効率アップ(開花・着果促進など)で収量増、品質向上

 ・植物耐性(活性酸素の抑制、光合成の活性化など)の増強、非生物的ストレスからの回復

 ・栄養素の同化、転流の促進

 ・糖度、色、結実の品質特性向上

 ・水バランス(蒸散、浸透圧)を調整、改善

 ・土壌の物理化学的性質を強化、補完的に土壌微生物の発育を促進

 

1.4 分類

 

 ・腐植質、有機酸資材(腐植酸、フルボ酸)

 ・海藻および海藻抽出物、多糖類

 ・アミノ酸およびペプチド資材

 ・微量ミネラル、ビタミン

 ・微生物資材(トリコデルマ菌、菌根菌、酵母、枯草菌、根粒菌など)

 ・その他(動植物由来機能性成分、微生物代謝物、微生物活性化資材など)

 

 

1.5 違い

肥料 バイオスティミュラント
植物に栄養を供給 植物栄養素の取り込みを高める

 

農薬 バイオスティミュラント
生物的ストレスを緩和 非生物的ストレスを緩和

 

土壌改良材 バイオスティミュラント
土壌を物理的・化学的・生物的に変化 植物をより良い生理状態に変化

 

2. 国内の状況
 
簡単に言うと
協議会の発足により認知度向上、品質・規格を標準化していく方針
 
2.1 国内市場

 

 現在は100~200億円で農薬市場と比較すると1/40~1/20程だが今後広がる見込み

 
2.2 日本バイオスティミュラント協議会

 

 ・2018年1月25日に農業資材系企業8社にて発足

 (愛知製鋼㈱、旭化学工業㈱、アリスタライフサイエンス㈱、出光興産㈱、雪印種苗㈱

  OATアグリオ㈱、㈱コスモトレードアンドサービス、㈱ハイポネックスジャパン)

 

 ・バイオスティミュラントの概念の研究、新技術や知識の整理蓄積、国内外の情報収集

  等に取り組む

 ・講演会の開催、機関誌の発行、安全性や効果の確保のための品質・規格の標準化など

  を行う