1. 銀イオン水とは
1.1 銀
1.2 イオン
1.3 濃度
2. 銀イオン水の効果
2.1 効果
2.2 効果の仕組み
2.3 長所と短所
3. 銀イオン水の安全性
4. 銀イオン水の製造方法
1. 銀イオン水とは |
簡単に言うと |
銀が溶けた水 |
銀が電荷を帯び、溶媒内にイオン化状態で溶け込んでいる状態の溶液です |
1.1 銀 |
・silver(英)と呼ばれる貴金属の一種 |
・室温における電気伝導率と熱伝導率、可視光線の反射率は金属中最大で、光の反射率が可視領域にわたって98%程度と高いことから美しい金属光沢を有す |
・塩素などのハロゲンとは直接結合しハロゲン化銀を生成する |
・用途は宝飾品、貨幣、鏡、殺菌、写真、電気設備、溶接、食品など |
1.2 イオン |
・電子の過剰(陰イオン)や欠損(陽イオン)により電荷を帯びた原子のこと |
・これを表す式をイオン式と言い、銀は陽イオンでAg+(エージープラス)で表す |
1.3 濃度 |
1リットルの水に何グラムの銀が溶けているかで表す。 |
例)1Lの水に1g(1000mg)=1000ppm |
一般的に水処理殺菌の目的では0.05ppm |
2. 銀イオン水の効果 |
簡単に言うと |
持続性(抗菌)が優れている |
2.1 効果 |
銀の酸化力や銀イオンのウィルスへの侵入と不活化による除菌、アルコールのように |
揮発しないことでの効果の持続、臭いの原因菌を抑えることでの防臭が期待できる |
名称 | 内容 |
ブドウ球菌 | 対塩性があり、化膿性炎症として膿皮症、中耳炎、肺炎、敗血症、心内膜炎、骨髄炎などのほかに食中毒の原因となる |
サルモネラ菌 | チフス性疾患や急性胃腸炎を起こし、髄膜炎、関節炎などを引き起こす |
赤痢菌 | 細菌性赤痢を起こし、水を介して経口感染する。大腸粘膜細胞内に侵入して化膿性炎症起こす |
レジオネラ属菌 | 水中あるいは土中に存在し、人が飛散した水滴を吸引することにより(気道感染)、肺炎などを起こす |
クレブシェラ | 気道、尿路などから感染し、敗血症を起こす |
シュードモナス | 水中に分布し、多くの菌種が消毒剤、紫外線、抗菌材に抵抗性で、難治性感染症の原因になりやすい |
ポリオウィルス | 小児麻痺を引き起こす。経口的に感染して咽頭や腸管で増え、その後血中に出て中枢神経系に達し、主として脊髄前角の運動神経を破壊し、四肢に麻痺を起こす |
ロタウィルス | 乳幼児の下痢症(仮性コレラ、白痢)、学童の集団下痢症の主な原因ウィルス |
ヘルペスウィルス | 持続感染を起こしやすく、水痘・帯状疱疹ウィルスを含む |
表:アリゾナ大学による銀の殺菌効果の評価
2.2 効果の仕組み(諸説あり) |
・水中に溶け出したプラスの電荷をもった銀イオンは、水中を漂うマイナスの電荷を持った菌に付着して細胞膜を破壊し死滅させる |
・銀イオンは各種のバクテリアの細胞の中に侵入してバクテリアの細胞遺伝子の分離をブロッキングして細胞分裂を止める、または酵素の働きを停止させ、生命活動に障害をもたらし死滅させる |
2.3 長所短所 |
〇広い範囲の細菌に対して効果を発揮し、耐性菌が出来にくい |
〇微生物には毒性を示すが、人や動物には安全性が高い |
〇持続性(抗菌)に優れている |
〇皮膚が敏感な人でもかぶれない |
〇金属の腐食や繊維の変色を起こさない |
●塩素などのハロゲン系成分と結合してハロゲン化銀となると殺菌力が減少する |
●一般的な合成殺菌剤より高価 |
3. 安全性 |
簡単に言うと |
水銀とは別物で安全性が高い |
・古くから食器として使用されたり、歯に入れるなどされてきて、銀が明白に人体に有毒であるという説は報告されていない。 |
・世界保健機関(WHO)の定義でも人体に影響はないとされている |
・水銀と混同され有毒と思われてしまう場合があるが、まったく別の物質である |
・抗菌材だけでなく、食品添加物として使われることが許可されている安全なもの |
4. 銀イオン水の作り方 |
・電気分解法 |
水中の純銀電極に電流を流して銀イオンを発生させる |
・薬剤法 |
銀を硝酸に溶かし、さらに水を加える |
銀を過酸化水素水で溶かし、さらに水を加える |
・担持法 |
ゼオライトに硝酸銀を高温にて焼き付け(担持)、それに水を透過させる |